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なすへちま農園ブログ


武装神姫とかFAガールとかメガミデバイスとかドールとか
目次 | キャラクター紹介 | 用語集

※今回の話では、吹雪 香さんとその神姫たちをお借りしています。すいませんでした。

美音ちゃんと分かれた後、僕は今日も神姫センターに立ち寄っていた。
ルセルとシュクレはようやくBランクまで上がり、勝率も少しずつ上がってきた。
ちまりちゃんのために、僕は強くならないといけないんだ。


神姫センターに入ると、ディスプレイで他の人たちのバトルの様子が写っていた。
そこには白い神姫と黒い神姫が協力して戦っていた。

「さとる、あの白い神姫!」

そこには、装備こそ違うが、ルセルとシュクレに良く似た神姫が表示されていた。

「私たちと同じ、白魔量産型…?」

2人とは違ってだいぶ軽快そうな装備を付けたその神姫は、イメージ通りの高機動力で敵の攻撃を回避している。
右手に持っているのはライフルのようだ。補助用なのかマシンガンらしきものが下に付いている。

「あ、白い神姫の方が勝ちそうだよ!」

ルセルに言われてもう一つのディスプレイを見ると、黒い神姫が敵に剣を振り下ろすところだった。

――You Win!

メッセージが白い神姫たちの勝利を伝えていた。



「こんなところで、ぼくたちの姉妹を見つけるなんてね…びっくりだよ」

ルセルが驚いた顔をしている。
たしかに、今までネットワークバトルをしていたって、同じ白魔量産型には出会ったことがない。

「…よし、今日はあの人に相手をしてもらおうよ」

「あの人に、ですか?」

先ほどバトルをしていた男の人は、今は神姫センターの片隅にある、無料のクレイドルコーナーにいる。
白い神姫と黒い神姫、そして男の人の肩には天使型と思われる神姫が乗っていた。

「同じタイプに会うのなんて初めてなんだから、もったいないよ」

僕は男の人のところに向かった。



男の人は、20歳くらいに見えた。
背はあまり高そうではないが、さすがに僕よりは背が高い。

「あの…すいません」

声に反応して男の人と神姫たちがこちらに視線を移す。

「あら…白魔量産型とは珍しいわね」

向こうもルセルとシュクレに気がついたらしい。

「初めまして、私は白魔量産型No.20のシュクレと申します」

「ぼくはNo.19のルセルだよ!」

ルセルとシュクレが挨拶する。

「私は、No.17の雪風よ。あなた達は妹って事になるのかしら」

雪風さんっていうのか…
白魔型が3体いるのは、なんだか見慣れない光景だった。


「あの、僕は堂元 悟って言います」

「自分は吹雪 香です。この子がアスタロトに、この子が…自分の嫁のアンネです」

「よ、嫁なんて人前で言わないで下さい!」

嫁と紹介された天使型のアンネさんは、物凄く恥ずかしそうに吹雪さんをポカポカと叩いている。

「アスタロトだ。この2人はいつもこんな調子だから勘弁してくれ」

アスタロトと紹介された黒い神姫がすかさずフォローに入る。

「初めまして、吹雪さん、アスタロトさん、アンネさん。
私はシュクレです。そしてこの世界一可愛い神姫が私の嫁のルセルです」

「しゅ、シュクレ、嘘をつくなー!」

ルセルは怒りながらシュクレにツッコミを入れるが、シュクレは気にせずニコニコしている。
嫁宣言できたので満足したらしい。

「初めまして、ルセルさん、シュクレさん。私がアンネです」

アンネさんが空からルセルとシュクレの前に着地した。
その左手の薬指には、銀色の指輪が光っている。

よく見ると、アンネさんは天使型の翼を付けているだけで、ボディは普通の服を着ている。
どこかで見たと思ったら、へちまガーデンで見たドレスだった。
そして、今まで見たどの神姫よりも大きい胸が目に付いて、頭がクラクラした。


「突然で申し訳ないのですが、僕とバトルしてもらえませんか…?」

本来の用件をようやく伝えることができた。

「はい、いいですよ」

吹雪さんは迷わず答えてくれる。
よかった…断られたらどうしようとヒヤヒヤしてた。

「なら負けるわけにはいかないな」

アスタロトさんの顔に緊張が走る。

「うん、ぼくも負けないよ!」

ルセルもやる気満々のようだ。


吹雪さんと共に、バトルロンドの機械のほうに移動する。
ルセルとシュクレを機械にセットすると、吹雪さんの方からアンネさんが飛んできた。

「あの…マスターのほうは準備ができたそうです」

「あれ…アンネさんはバトルには出ないんですか?」

シュクレの疑問は、僕も不思議に思っていた。
その質問にアンネさんは、ちょっと恥ずかしそうに答える。

「私はあまり強くないので、バトルにはほとんど出ないんです。
それに私は、マスターのお嫁…何でもありません!」

突然全速力で吹雪さんの方に帰っていってしまった。
…なんだったんだろう…



――BattleRondo Ready...Go!

今回のマップは、ジャングルのようなマップだった。

「こんなんじゃ、スケートがやりにくいよ」

ルセルが地面のデコボコを見て困っている。
うーん、たしかにこれは動きにくそうだ。

「ルセル、今回はあまりシュクレから離れないように、まずは森から出よう」

「はい、お姉さまを守ります」

2人は横に並びながら、森の出口を目指し始めた。


「ようやく出れたよー」

ちょっと歩くと、少し開けた空間に出ることができた。
シュクレは早速周りに警戒している。

≪バァンッ≫

突然シュクレにライフルの弾が命中する。
その勢いでシュクレは姿勢を崩す。
どうやら、かなり威力の高いライフルを装備しているらしい。

「見つけたぞ!」

後ろの森から、突然黒い影が現れる。アスタロトさんだ。
アスタロトさんが剣を振りぬくと、シュクレはガードできずに吹き飛ぶ。

「きゃっ!」

シュクレさんのLPが一気に吹き飛ぶ。

「シュクレ!」

ルセルがシュクレを助けるためにアスタロトさんに飛び掛る。
しかし、どこからか飛んでくる雪風さんの狙撃に阻まれ、接近する事ができない。

「雪風さんはどこに…!?」

姿勢を立て直したシュクレさんは、雪風さんの場所を探す。

「シュクレ、上だよ!」

僕の声に反応してシュクレさんが上を見る。

≪ズダダダダッ≫

そこに雪風さんのマシンガンによる攻撃が襲う。
シュクレは左肩の盾でなんとかガードするが、LPはみるみる削られていく。

「ごめんなさいお姉さま…私はもうダメなようです…」

シュクレのLPが0になり、行動を停止する。
バトルにはルセルのみが残された。

「さとる、相手が悪すぎるよ!」

アスタロトさんの攻撃をギリギリで防ぐルセルだが、雪風さんとの連携攻撃に遭い、ダメージが蓄積していく。
逆転のチャンスを掴むことができず、ルセルも機能を停止した。

――You Lose...

…僕たちは、まだまだ弱い…



「ごめんね、ちょっと大人げなかったかな…」

勝った吹雪さんがなぜか申し訳なさそうにしている。

「楽しいバトルだったわね、また戦えると良いわね」

「お姉さま、私たちももっと強くなりますね」

「うん、ぼくたち次は負けないよ!」

ルセルとシュクレも、さらに決意を固めたようだ。
負けはしたけれど、損ではなかったようだ。

「それじゃあ、また会おうね」

「は、はい、さようなら!」

吹雪さんが手を振りながら、神姫センターの入り口へと向かっていく。
その左手には、アンネさんと同じ指輪が輝いていた。


「…意外とアンネさんが嫁っていうのは本当だったのかも…」

「そうだったのかもしれませんね…」

シュクレと共にびっくりしていると、何故かルセルが恥ずかしそうにしている。

「ぼ、ぼくはさとると結婚なんてしないんだからな!」

何故か勝手に宣言すると、バッグのポケットに引きこもってしまう。
シュクレがその後に続いてポケットに入る。

「お姉さま、お姉さまは私と結婚してくださいますよね?」

「シュクレとだって嫌だよ!」

バッグの中では、またルセルとシュクレの追いかけっこが行われているようだ。
バトルに負けても元気な2人に、僕も元気を貰えたようだった。

COMMENT

開けた場所にいきなり出るのは的にしてくれと言っているようなものだー><
MiKeさん>
ミニーソン・ルセル・シュクレと3人もいるにも関わらず、その事には気がつかなかった模様…
そもそも相手が悪すぎたようです(・・;)
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プロフィール
ちの
神姫&ドールのアイペや布服の製作だけでなく、髪パーツの自作までするマルチな淑女。
2012/9/30に亡くなりました。記事にまとめてあります。


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Threads:@nas_hechima
神姫の武装パーツや髪パーツの制作や、ブログの更新もする雄犬。
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