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なすへちま農園ブログ


武装神姫とかFAガールとかメガミデバイスとかドールとか
目次 | キャラクター紹介 | 用語集

「…俺の負けだ。ちまりの事は諦める」

星夜くんは、すっかり落胆したかのように肩を落としている。

「マスターすまない、勝つことができなくて…」

「途中油断した場面が何度もあった、悪かった」

「いや、俺の実力が足りなかったからだ、水都と月夜のせいじゃない…」

星夜くんは神姫たちを慰めている。
…こう見ていると、悪い奴ではないのかも…

「…さすがに分かってたよ、ちまりの気持ちが俺に無いことくらい…
ただ、ちまりが彼女って事がすごく嬉しかったんだ…」

下を向いて震えていた星夜くんは、突然僕のほうを向き直す。

「…次は、俺の実力でちまりをまた彼女にするからな!」

そう言いながら、星夜くんは神姫センターから出て行った。


「ミニーソンくん…」

ちまりちゃんが僕を見つめている。
その目はうるうると今にも泣き出しそうだ。

「ありがとう、ちまりのためなんかにここまでしてくれて…」

「本当感謝するわよ。あんた、意外とやる男だったのね」

「ありがとうー」

姫子さんとアウラさんも嬉しそうだ。ちまりちゃんの様子を一番近くで見ていたのだから当然か。

「…あのね、ちまり、ミニーソンくんとだったら…」

ちまりちゃんの顔が突然真っ赤になる。

「い、いや、僕はちまりちゃんが笑顔でいて欲しかっただけで、それ以上は…!?」

「…そうだよね、今はそれだけでもいいかな」

ちまりちゃんが、昔のような笑顔になる。
この笑顔が見たかったんだ。

「悟くんー、すっごい今の戦い!」

「すごいすごーい!」

「本当に凄い戦いでしたね」

美音ちゃんと雪卯さん達も駆けつけてくれた。

「ちまり、よかったね。これでちまりもアタシと同じフリーだよ」

「うん、そうだね」

美音ちゃんが嬉しそうにちまりちゃんの手を握っている。
やっぱりこの2人は親友なんだな。美音ちゃんも本当に嬉しそうだ。

「うふふ、やっぱりアタシのおまじないが効いたのかなー?」

「おまじない…?」

「そ、それはちょっと…!?」

美音ちゃんの悪戯な一言に、ちまりちゃんが不思議そうな顔をしている。

「ひっみつー、さぁさぁアタシたちは先におさらばしようかなー」

美音ちゃんはそのまま僕たちに背を向けると、入り口の方に歩き始めた。

「あ、そうだ」

途中で振り返ると、笑顔で叫んだ。

「ちまりちゃんに飽きたら、アタシに移ってもいいからねー?」

「みーおー!?」

ちまりちゃんが叫んでいるのを背中で聞きながら、美音ちゃんは走って神姫センターから出て行ってしまった。

「もう、美音はしょうがないなぁ…」

ちまりちゃんははにかむように笑う。

「ミニーソンくん、神姫たちを連れてきてあげたら?」

「あ…!」

ちまりちゃんの言葉に、僕は機械の方に駆け出した。


「…頭が痛い…」

「大丈夫ですか、お姉さま…」

ルセルは頭を抱えて座り込んでいる。

「どうしたの、ルセル?」

「頭が割れるみたいに痛いよ…戦ってるときは気にならなかったけど…」

これはリミッター解除の反動なのだろうか…?

「…本当にありがとう。ルセル、シュクレ」

「いえ、私よりお姉さまを褒めてあげてください」

僕はルセルを手に取ると、目の前まで持ち上げて話しかけた。

「ありがとう、ルセル。そんな苦痛に耐えながら戦ってくれて…」

「…さとるのためだったら、ぼくは…」

ルセルは無理やり笑うと、僕の手に寄り添った。

「…シュクレと一緒にさとるの神姫になれて、よかった」

そういうと、ルセルは眠るように意識を失った。
消耗しすぎてスリープモードになったらしい。

「…マスターとだったら、浮気とは怒れませんね」

シュクレが僕の肩に昇ってくると、ちょこんと座った。

「私もマスターの事が世界一好きですよ、人間の中では…ですけど」

シュクレは肩で立ち上がると、僕の頬にチュッとキスをした。

「ふふ、これは秘密ですからね、お姉さまに怒られます」



「ミニーソンくん、一緒に帰ろうよ!」

ちまりちゃんが、後ろで僕を呼んでいる。
僕が振り返ると、隣に来た並んだちまりちゃんは僕の手を掴んだ。

「できるだけ遠回りして…ね?」

「きぃー!ちまりにこんなに好かれてるなんて、なんて男なのよ!」

「姫ちゃん、姫ちゃんにはアウラがいるよ!」

初めてちゃんと繋ぐ手に2人で顔を赤くしながら、僕たちは帰り道を歩き始めた。





「…お兄様、最後まで勝負を見なくてよかったのですか?」

お兄様は、悟さまの戦いを見終わらないうちに帰り始めた。
私はお兄様の隣に並んで歩く。

「リミッター解除できたならもう心配は無いだろう。
それよりレイニー、今夜の夕食は豪華にしてやってあげてくれ」

お兄様は財布からお金を取り出そうとするが、私はそれを止める。

「いえお兄様、これから私と一緒に買い物に付き合って頂きます」

「…え?」

「それで、今夜の夕食は3人で…いえ、3人と神姫さん達で頂きましょう!」

私がお兄様の手を引っ張ると、いつもなら嫌がるお兄様が抵抗せず着いてくる。
きっとお兄様も、息子の勝利が嬉しくてしょうがないのだ。
私の頭のCPUは、機械らしくもない幸せなリズムを刻んでいた。



「…あれがミニーソン…」

「たしかにかなりの実力です、ですが…」

神姫センターの片隅では、ピンク髪の少年が、天使型の神姫と話していた。
その神姫は、天使型らしからぬ灰色の髪をしていた。

「…そろそろ遊ぶにはちょうどいいかもしれないな」

ピンク髪の少年は、怪しげな笑みを浮かべていた。

COMMENT

WF前後でバタバタしていたので、ようやく今日一気読みさせて頂きました(汗)
ルセルさんとシュクレさんの性格の意味がよく分かりました♪

いつものみんなが大人になるとあんな感じになるんですねー。
感無量ですw

星夜くんは2部になるとツンデレっぽい味方キャラになりそうですね!(`・ω・´)
MiKeさん>
読んで頂きどうもありがとうございましたm(_ _)m
それなりに長さがあるので、大変だったのではないかと思います。

オニーソンたちの部分は、書いていてかなり楽しかったです。
そこがメインだったんじゃないかというくらい(^^;;;

星夜くんのことはそれ以上言っちゃダメです。ネタバレになりますから(笑)
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プロフィール
ちの
神姫&ドールのアイペや布服の製作だけでなく、髪パーツの自作までするマルチな淑女。
2012/9/30に亡くなりました。記事にまとめてあります。


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神姫の武装パーツや髪パーツの制作や、ブログの更新もする雄犬。
アイペイントや布服の製作もちのさんを見習って少しずつ練習中。
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