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なすへちま農園ブログ


武装神姫とかFAガールとかメガミデバイスとかドールとか
目次 | キャラクター紹介 | 用語
 
朝起きたときのパニックは凄まじかった。
夜を共にしたと主張するアルディ、呆れ果てるリプカ。
突然神姫が現れた衝撃で墜落したリーシャに、すぐさま着せ替え人形にしてしまった抹黄。
仏様と間違えて拝みはじめるじいちゃんばあちゃんと、凄まじい光景が繰り広げられた。

その後はなんとか学校にきて、今ようやく放課後を迎えた。
アルディは学校にもきたいと言い出したので、リプカと共にバックの中に隠れている。

「…マスター、助かった…」

バックからリプカを出すと、何故かぐったりしている。

「どうしたんだ?」

「あいつが一生私へのセクハラを繰り返すから、逃げ続けていたんだ」

「あんたは色気って奴が足りないんだよ、アタイが教育してやろうと思ってね」

人のバックの中で何をやってるんだ…

「今日は神姫センターに行きたいだけど、2人共いいか?」

「あぁ、私はこいつから離れられるならなんでもいい」

「アタイも戦いは大好きだ、大歓迎さ」

よーし、今日も神姫バトルができるな!
俺はわくわくしながら、神姫センターへと向かっていった。





「…タッグバトルプレゼントキャンペーン?」

神姫センターに着くと、あるポスターが目に入った。
店員さんの神姫にタッグバトルで勝つと、神姫の装備がプレゼントされるらしい。

「へぇ…面白そうだね」

「リプカとアルディがいるから参加できるな…挑戦してみるか?」

リプカとアルディを見ると、2人ともやる気満々のようだ。

「こいつがパートナーなのは嫌だが、タッグバトルには興味がある」

「アタイは大歓迎さ、あんたに指揮は任せるよ」

よし、燃えてきたぜ!
俺は早速受け付けへと走ると、バトルの申請書を書き始めた。





――Battle Rondo Ready...Go!

「よっしゃ、暴れさせてもらうさ」

アルディには、背中の右側にランチャー、左側にはガトリングが装着されている。
さらには腰にはランスのようなものが付いているようだ。

「その装備は?」

「アタイのテスト用装備だよ、データはちゃんと登録されてるから、シミュレータなら呼び出せる…っと、早速敵さんだ」

遠くだが、寅型と丑型の神姫が見える。

「一気に決めるよ、あんた結構素早いんだろう?」

「何故分かる?」

「アタイを誰だと思ってるのさ、見ればわかる」

アルディの観察力はかなりのものらしい。

「アタイが援護するから、あんたはランチャーをぶっ放してから一気に敵に突撃しな。アタイもすぐ追い付く」

「お前には命令されたくない!」

リプカは少し怒っているようだ。

「リプカ、今日はアルディに任せようぜ」

「そうさ、次会ったら敵かもしれないんだから、戦闘スタイルを見ておいて損はないはずさ」

「…マスターが言うなら仕方がない」

リプカが空へと飛び上がる。

「後ろから撃ったら容赦はしないぞ」

「はっ、言うじゃないのさ!」

《ズダダダダ…ドォゥゥゥン》

アルディがガトリングを乱射しつつランチャーを撃ち込むと、リプカも背中のランチャーを発射する。
敵はいきなりの攻撃に対応できず防御したが、2人の一斉射撃のダメージはかなり残ったようだ。

「行かせてもらう!」

リプカは背中の2本の剣を両手に構えると、敵に向かって飛び掛かる。
迎撃しようとする敵をアルディのガトリングが襲う。

《ズダダダッ》

ガトリングによって動きを封じられた敵は、動くこともできずあたふたしている。
アルディの奴、ガトリングの狙いをわざと外すことで敵の動きを封じているのか…

「まずは一つ!」

敵の後ろに降り立ったリプカは、まず丑型神姫に切り掛かる。
二本の剣に襲われた丑型はそのまま機能を停止する。

「そのままあんたに任せるよ、さっさと決めな!」

「言われなくてもわかっている!」

そのままの勢いで寅型神姫に切り掛かる。
寅型神姫の剣を器用に弾くと、本体へと切り付ける。

「とどめだ!」

《ズシャァァ》

最後に敵を十字に切り裂くと、寅型神姫はそのまま後ろに倒れる。

――You Win!





「すげぇ…圧勝じゃないか!」

「アタイがいるんだ、当然だろう?」

「たしかにいい援護だった」

自慢げなアルディを褒めるリプカ。
息がピッタリだったのは、なんだかんだで似た者同士だからだろうか…?

「こちらがタッグバトルキャンペーンの賞品です」

神姫センターの店員さんが、小さな袋を持ってやってくる。
開けてみると、スカート型のアーマーが入っていた。

「鎖帷子…と言った感じか? 私の装備には合いそうにないな」

「へぇ…動きやすそうでよさそうだけどねぇ」

たしかにリプカには似合わなそうだ。
むしろ、これが似合うのは…

「アルディ、これやるよ」

「おや、アタイなんかにいいのかい?」

「私もそれがいいと思うぞ」

リプカも同意してくれている。

「なら有り難く頂こうかねぇ」

アルディが早速腰に装備する。
これなら他の装備の邪魔にもならなそうだ。

「さーて、このままタッグバトルを続けようぜ!」

「了解だ、マスター」

「ああ、いくらでも暴れてやるさ」

やる気に溢れている2人を連れて、俺は再びバトルロンドの機械の前へと歩きだした。





「こんなとこまででいいのか?」

「ああ、これ以上はあんたが怪しまれちまうさ」

夕方、アルディを連れてオーベルジーヌ社の前へと来ていた。

「抜け出したのは初めてじゃないしねぇ、心配はいらないさ」

「ふん…お前なんて、殺しても死なないだろう」

腕を組みながら話すリプカに、余裕の笑顔で返すアルディ。

「それじゃあさよならだ、今日は本当に楽しかったよ」

こちらに背を向けながら手を振るアルディは、オーベルジーヌ社へと歩きだす。

「…そうだ、後は…」

アルディが一度振り返る。

「ステキなプレゼント、大切にさせてもらうよ。いつか御礼をさせてもらうさ」

「おう、楽しみにさせてもらうぜ!」

それだけ言うと、アルディはオーベルジーヌ社の換気扇の中へと消えていった。
あんなところから出入りできるのか…

「全く…お騒がせな奴だったな」

「あぁ…そして強い奴だった、私もまだまだということだな」

リプカもまだ腕を組んだままオーベルジーヌ社を見つめていた。

「…ところでマスター、私が寝ている間に何があったんだ?」

「な、何を言ってるんだ?」

「マスターが神姫に手を出すような男になったら、困るからな」

どんなお節介だよ…リプカらしいと言えばらしいけど…

「最初から最後まで話すのだぞ、嘘はつくんじゃないぞ?」

「わかったよ…」

そして帰り道は、夜にあったことを最初から最後まで話すことになったのだった…

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ちの
神姫&ドールのアイペや布服の製作だけでなく、髪パーツの自作までするマルチな淑女。
2012/9/30に亡くなりました。記事にまとめてあります。


ちっぽ
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Threads:@nas_hechima
神姫の武装パーツや髪パーツの制作や、ブログの更新もする雄犬。
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