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なすへちま農園ブログ


武装神姫やドールなどなど
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「さとる、もう遅いよ?」

神姫センターから帰った夜、僕は研究室で作業を進めていた。
現在開発中の神姫、エウリュノメを完成させるためだ。

エウリュノメはルセルとシュクレの二人の意識を一体の神姫に載せるという、全く新しい機能を持っている。
これは以前フェローネに大して使ったリミッター解除プログラムを発展させ、神姫ライドシステムを応用したものだ。
以前と違い、本人たちのコアユニットには影響が無いため、安全に使用することができる。

問題は、二人の意識が一つにならないと起動できないことだ。
こればかりは、二人を信じるしかない。

「もー、さとるが夜更かしするとぼくらまでレイニーさんに叱られるんだからね?」

「ごめんねルセル。…シュクレは?」

神姫センターでのバトルで、シュクレはかなり調子がおかしかった。
いつものような集中力がない感じに見えた。

「疲れたからもう寝るって、いつもならぼくの寝顔を見てからじゃないと寝ないって聞かないのに…」

ルセルも心配そうだ。
…当然か、双子の妹のことだもんな…

「最近様子がおかしいんだ、話し掛けても反応がなかったり、ぼくが近くにいても気がつかなかったり…」

…うん、これは気をつけておいたほうが良さそうだ。
彼女たちは機械だけれど、ちゃんとした”心”を持っている…僕はそう信じているから。

「エウリュノメももうテストだけってところまで完成したし、そろそろ寝るよ」

「へぇー、もう少しだね!」

ルセルも嬉しそうだ。
それはそうか、ルセルもなんだかんだ言って、シュクレのことが大好きだから。

「おやすみルセル、また明日」

「うん、おやすみ…さとる」

ルセルがクレイドルに座ると、人間が眠るように瞳を閉じる。
こう見ていると、本当に小さいだけの人間みたいだ…

…さて、ルセルには嘘をついたことになるけど、もうちょっと作業を続けよう。
二人が力を一つに合わせられる日が早く来ますように…





学校へと登校した僕は、まだまだ慣れない高校の授業を受けていた。
授業は内容の紹介などがメインで、勉強という感じはあまりしない。

「さーとーるーさーん、お昼デスヨ!」

昼休みになると、ミリアさんは早速僕の所へとやってきた。
クラスメイト達は僕たちの方を見ながら、コソコソと話している。
…なにか変な噂が流れているような気がしてならないが、もう手遅れか…

「ワタシはお昼を屋上で食べるつもりなのデス、さとるさんもどうデスカ?」

…そうだなぁ…このまま一人で食べるのは寂しいだけかな。

「僕もミリィさんと一緒に屋上で食べるよ」

「…さとるさん?」

突然ミリィさんが不機嫌そうな顔になる。

「なんど言ったら分かるデスカ! ミリィ”さん”はいらないのデース!」

「あ、ご、ごめんなさい!?」

ミリィさ…ミリィが怒っている。
小さい子供が怒っているみたいで迫力はないのだが、思わず謝ってしまった。

「ほら、続けて言うデスヨ、ミリィ!」

「え、ええ?」

「ミリィ!」

…これは言わないと許してもらえそうに無い。
僕の高校生活は、なかなか難儀なものになりそうだ……





「さとるさんのお弁当はおいしそうデスネー」

ミリィが僕の弁当を覗き込んでいる。
僕の弁当は、僕の家にいるメイドヒューマノイドであるレイニーさんが作ってくれた物だ。
ある意味僕のお母さんのような人で、料理の腕も天下一品である。

「…ミリィはパン?」

「はい、”こんびに”というところで買ったのデスヨ」

ミリィはどこでも売っているような惣菜パンを食べている。

「全く、プリンセスにこのような物を食べさせるとは…」

「ベーチェルは黙ってるデース、こんなにおいしいパンははじめてデス!」

ミリィは笑顔でただの惣菜パンを美味しそうに食べている。
ただのコンビニのパンが、とてもおいしそうに見えた。



「ごちそうさまデシタ、戻りましょう、さとるさん」

ミリィはかなり食べるのが遅く、食べ終わる頃には昼休みは後わずかになっていた。、

「…さとる、ミリィさんとおしゃべりしすぎじゃないの?」

「あら、お姉さまはヤキモチを妬いていらっしゃるんですね」

「ちがーう!」

ルセルはなんだか怒っているようだ。
…まぁ、いつもだったらルセルやシュクレと話しながら食べるから、怒っても仕方がないか。

「時間がギリギリだ…急ごう、ミリィ」

「はいデース」

ミリィは僕の後ろを早歩きでついてくる。
早く教室に戻らないと…

《ガシィィィン》

「…え?」

屋上から校舎に入った瞬間、突如としてシャッターが閉まってしまった。

「ぷ、プリンセスは大丈夫なのですか!?」

僕の隣を飛んでいたベーチェルさんは校舎の中だが、ミリィは屋上に残されている。

『な、なんなのデスカ!?』

ミリィもびっくりしたようで、シャッターをドンドンと叩いている。

『眩しっ…ゆ、ゆーふぉー…』

ゆーふぉーって…UFOっ!?
なんでそんなものが…?
シャッターを叩いていた音が静かになると、人が倒れ込むような音が聞こえた。

『…久しぶりだな、ミニーソン』

「…誰だ!?」

僕をミニーソンと呼ぶのは、父の友達くらいのものだ。
それにしては声が幼すぎる。

『このお姫様には少し眠ってもらった…取り返したいなら、なすなっく研究所にこい!』

「なすなっく…研究所?」

どこかで聞いたことがあるような気がするけど…どこだ…

『ひいじーさん…いや、お前のお父さんならよく知ってるはずだぜ? じゃーな』

その言葉と共に、人の気配がなくなる。
次の瞬間シャッターが開いたが、そこにミリィの姿はなかった。

「プリンセス、どちらへ!?」

ベーチェルさんもパニックになっている。

「なすなっく研究所…よし、ベーチェルさん、僕の家に行こう!」

「…従うしかなさそうですわね。わかりました、この戦いが終わるまでは、貴方の剣となりましょう」

ベーチェルさんは手に持ったガンブレードを天に掲げた。

「さとる、行こう!」

ルセルの声にも急かされながら、僕は下駄箱を目指す。
…ミリィ、必ず助けるからね…!





走るマスターのポケットの中、私…シュクレは、複雑な気分で考えていた。
マスターは、私がいなくなってもこうやって捜しにきてくれるだろうか?
お姉さまは、ここまで真剣になってくれるだろうか…?
…ダメだ、お姉さまのこともマスターの事も大好きなはずなのに…
お姉さまがまっすぐマスターだけを見ているのを見ると、心がザワザワと乱れていく。
…この気持ちは、一体なに…?
お姉さま…私のことも見て…

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ちの
神姫&ドールのアイペや布服の製作だけでなく、髪パーツの自作までするマルチな淑女。
2012/9/30に亡くなりました。記事にまとめてあります。


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神姫の武装パーツや髪パーツの制作や、ブログの更新もする雄犬。
アイペイントや布服の製作もちのさんを見習って少しずつ練習中。
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