《キィンッ》
緋桐 「…珍しいな、訓練にしてはずいぶんと…」
《ブンッ》
緋桐 「熱くなってるじゃないか…!」
「…くっ…!」
緋桐 「ただその結果、行動に無駄が多い…見えなくてもわかるぞ?」
緋桐 「…まぁ、そう言った戦いも嫌いではないが…」
リアトリス 「やはり差は大きいですね…」
緋桐 「リアトリスは本来近距離戦専門ではないだろう? まぁそういう訓練だから仕方ないと思ってくれ」
リアトリス 「…そうじゃなくても、緋桐さんに勝てるとは思いませんよ」
緋桐 「…そうだとしたら経験の差だな」
リアトリス 「…私は昔から弱いですから」
緋桐 「…そうか? 個々の技能はもちろん、それらを組み合わせた戦い方という点では、一定の戦術に特化した奴が多いAG社の神姫の中では優れていると思うが」
リアトリス 「それは私に目立った点がなかったからですよ」
リアトリス 「…仕方ない…あまり使いたくはないですが…」
《ザッ》
緋桐 「ッ!?」 (さっきまでと速さが違う…これが彼女の…っ)
リアトリス 「…これでっ!!」
《ガキィンッ》
リアトリス 「あ…っ!?」
緋桐 「…確かに速いが攻撃が単調だぞ?」
《ブゥンッ》
リアトリス 「弾かれ…っ」
緋桐 「…やっぱりリアトリス…」
《ザッ》
《ピタッ》
リアトリス 「…ぁ!」
緋桐 「…何か苛立ってるな…?」
緋桐 「…まぁいい、訓練はここまでだな」
リアトリス 「…ありがとうございました」
緋桐 「今日はこれくらいにしておこう、武器をしまってくるといい」
リアトリス 「はい…」
・
・
・
緋桐 「しかし…今日はリアトリスにしては珍しく熱くなっていたが、どうしたんだ?」
リアトリス 「…どうした、ってほどのことではないですが…」
緋桐 「まぁオーナー関係のこと…だろうが、オーナーに怒ってる…と言った感じでもないな」
リアトリス 「…オーナーが関係してるとも言えますし、違うとも言えますが…少し調子に乗りすぎました」
緋桐 「…なるほど、その怒りは自分自身へか」
緋桐 「…まぁ私はオーナーとの付き合いは長くはないし、そもそも元々オーナーの神姫だったわけじゃないからなんと言ったらいいか難しいが…」
緋桐 「リアトリスはもう少し自分に自信を持っても良いと思うぞ? 戦闘訓練にかける時間なんて、うちでダントツのトップじゃないか」
リアトリス 「…それでもまだ、私は弱いです」
緋桐 「…そうかな、私にはまだあれがリアトリスの全力だとは思えないが…」
緋桐 (リアトリスは調子がいい時と悪いときの動きがちぐはぐだ…何かこう、まるで全力を出すのを我慢してるかのような…)
緋桐 「それに、リアトリスはオーナーに一番愛されてるじゃないか」
リアトリス 「…しれっとすごいことを言いましたね」
緋桐 「…そうか? ただの事実を述べただけなんだが…」
リアトリス (…緋桐さんの場合、本気でそう思ってるから困るんです…!)
緋桐 「…?」
プロフィール
ちの
アイペイントや布服の製作、髪パーツの自作までするマルチな淑女。
2012/9/30に亡くなりました。
ちっぽ
最近はうちの子たちとお出かけしてるくらいな犬。
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