ローラル 「大丈夫か!?」
ベルーラ 「だ、大丈夫です! リア…目を覚まして」
ベルゼビュート 「うるせぇうるせぇうるせぇうるせぇうるせぇ!」
ベルゼビュート 「てめぇもだまれっ!!」
ローラル 「…な!?」
≪ドガァッ≫
ローラル 「…ぐぅっ!?」 (この…油断した…!)
ローラル 「ぐ…がはぁ…」
ベルゼビュート 「へ、へへ、今のは効いただろぉ?」
ローラル 「き、貴様…!」
ベルゼビュート 「さぁて…先にこちらを処分させて頂こうかねぇ?」
ベルーラ 「リア…!」
ベルゼビュート 「俺様はリアじゃねぇ!!」
ベルーラ 「…わかった、いいよ」
ベルゼビュート 「…は?」
ベルーラ 「私を殺して気が済むのなら、殺していいよ」
ベルゼビュート 「…へっ、妹思いだなぁ、泣かせるねぇ」
ベルゼビュート 「ならお気遣いなくいかせてもらうぜぇ!!」
ベルーラ 「・・・」 (リア…!)
≪ピキッ≫
ベルゼビュート 「…な、なんで止まる…?」
「…私のお姉ちゃんを…」
ベルーラ 「・・・!」
「これ以上、傷つけさせません…!」
ベルゼビュート 「待て、まだ契約は終わってねぇぞ…!?」
「…あの時身体を奪われてから、暗闇の中でずっと考えていました」
「お姉ちゃんには『自身の危機』という魔王の発動条件があるのなら、私にもあるはずだと…」
ベルゼビュート 「な、なぁにぃ…!?」
「私の場合は、私が力を…魔王を欲した時…なら!」
リアトリス 「私が変わろうと思えばいつでも戻れる…戻れなかったのは、私が戻れないと信じ、思い込んでいたから…!」
『て、てめぇ、また俺様を!?』
リアトリス 「形勢逆転ですね…少し黙っていてください」
『こんのぉ、この借りは
必ず返してやるからなぁー!』
ベルーラ 「リア…大丈夫!?」
リアトリス 「…はい、ありがとうお姉ちゃん…お姉ちゃんがいなかったら、私は気がつかなかった」
ベルーラ 「…え?」
リアトリス 「先ほど、お姉ちゃんが危機になっても魔王は出てきませんでした…それは、お姉ちゃんの心が折れていなかったからなのだと」
リアトリス 「それなら、私もきっとできるはずだと、そう思ったんです」
ローラル 「…まったく、弱いのに無茶をするものだ」
ベルーラ 「す、すいません…」
ローラル 「だが、戦いでの強さと心の強さは別だ。私も見習わなければな」
ローラル 「…そうだ、自己紹介が遅れていたな。私はローラルだ、よろしく頼む」
ベルーラ 「はい、私、ベルーラです!」
ローラル (彼女の中にベルフェゴール…私の父の仇が…)
ローラル (…だが奴は今回姫を守っているだけだった。もう少し見極める必要があるだろうな…)
マイム 「あ、みんな無事だったんだね!」
ベルーラ 「マイムさんにファネスさんにユイットさんに…緋桐さんはいつから?」
緋桐 「あぁ、マイムの声が聞こえたからな」
ユイット 「え!? あれ声が聞こえてから来たんですか!?」
ファネス (どーいう地獄耳?)
緋桐 「…すまない、モナルダを倒し損ねてしまった」
リアトリス 「いえ…私こそご迷惑をおかけして申し訳ありません」
ファネス 「いやいや、あれはベルゼビュートとかいう蝿が悪いってー!」
マイム 「そうだよ、リアちゃんは悪くないもん!」
リアトリス 「皆さん…すいません…」
ローラル 「ほら、いつまで座っているつもりだ?」
リアトリス 「…ローラルさん…」
ローラル 「…いつまたあのお姫様やベルフェゴールが現れないとも言い切れない、そんな時に止められるのはお前だけだろう?」
リアトリス 「ですが、私の中にも…」
ローラル 「あの調子なら大丈夫だ、お前が必要しなければ、奴は出て来れない」
ローラル 「…あいつらも久しぶりの再会だ、たまにはいいかもしれないが…お姫様もお望みのようだしな」
リアトリス 「…分かりました、その時は引っ叩いてでも止めに行きます」
ローラル 「加減はしてくれよ?」
リアトリス 「ふふ…分かっていますよ」
ローラル 「…よろしく頼む」
リアトリス 「ええ、分かりました…!」
『Princess and Devil』 おわり
…と、ようやく『Princess and Devil』全八話で完結しました。
ローラルさん&セレニティアさんを軸に、回収できてなかった複線を全力で回収しに回ってみた結果、こんなことに…
主に重要だった複線はと言うと、
・新キャラ「ローラル」と「セレニティア」について
若干ややこしい二重人格なので、なんとか分かりやすくしてみた…つもりです(・・;)
劇中でもローラルさんが言っていますが、ローラルさんは小説内の勇者であるイサエルの娘です。
あの物語の後、勇者は地位が下がりローラルさんはその事が魔王と姫のせいだと知り、恨んでいます。
…が、自分が神姫だという自覚もあるので、この記憶が作りものではないかと悩んでもいるようです。
・リアトリスさんの魔王『ベルゼビュート』について
以前モナルダさんと戦った際に言及されていたリアさんの魔王。
ベルゼビュートのコンセプトは「うざく、うるさく、うっとおしく。まさに蝿」でした(^^;;;
今後もリアさんがピンチに陥るたびにうるさく活躍してくれることでしょう。
・ベルーラさんとベルフェゴールの関係について
今まではベルフェゴールが完全に迷惑な存在でしたが、今回の一件で周りの見る目も変わったことでしょう。
…特にセレニティアさんとのリア充っぷりと言ったら…!
ベルの心がもう少し強く成長すれば、ベルフェゴールと力を合わせられるようになるかもしれません。
…とにかく、魔王型関係の話をだいぶ回収する事ができて満足です。
最近魔王型関連の設定がかなり固まってきたので、追々登場させていきたいと思います。
それでは、皆さんお付き合い頂きありがとうございました!
コメント
ローラルさんはそのような事情があったのですか…かなり重要な立ち位置でビックリです。
これから先もベルさん…あいやベルフェゴールさんとのリア充っぷりがたまに見られるといいのですがw
ベルゼビュートさんのほうはまだちょっとしこりが残った感じでしょうかねぇ(´・ω・`)
他の魔王型も登場するとのことで、まだまだ目が離せませんね!
…いずれうちのアスモンにも会わs…ダメだセクハラする絵しか思い浮かばないΣ(´Д`;)
‥蝿っ!?
こう書くと魔王形無しですね(笑)
あの二人がリア充しすぎるとローラルさんとかリアさんとかがギギギとなるのである程度は自重してもらわなければ…(笑)
ベルゼビュートさんには定期的に暴れていただきましょう(^^;;;
アスモンさんにはうち的にはある事情で会わせたい子が一人いたり…(?
柊 葵さん>
あくまでも蝿なので、汚い以外はそれほど害はありません。
…いや、だいぶ被害出てますが(^^;;;